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リニエ訪問看護ステーション四ツ橋サテライト平野

作業療法士

話し合うことの大切さ

先日、母親から「おばあちゃんが最近認知症っぽいのよ」と連絡がありました。

私の祖母は90歳で、長い間、農家の仕事をしていたため、腰が海老のように曲がっています。
一人暮らしなので、室内でも両手で杖をついてトイレに行き、普段は訪問入浴を利用していますが、汗をかいた日などは一人で入浴することもあります。

そんな祖母が数週間前に体調を崩し、その時に、主治医から「今は足に力が入りにくいので、部屋を一人で歩くのは少しの間やめておいてください」と言われたとのことでした。
それを聞いた母親が、祖母には一人での入浴を禁止し、部屋にポータブルトイレを設置しました。

しかし、祖母はその数日後、一人で入浴し、ポータブルトイレは一度も使わなかったようなのです。

そこで、母親から私に「おばあちゃんが最近認知症っぽいのよ。言ったこと忘れてる」と連絡があり、私は祖母のところへ話を聞きに行ったのですが、その時感じた印象では、特に認知症の症状などは見られませんでした。
一人での入浴禁止やポータブルトイレのこともしっかりと覚えていました。
では、どうして一人で入浴したのかを聞くと「次の日にお友達が家に来てくれるって言うから、臭い身体だと嫌でしょう。訪問入浴も毎日じゃないから」と話してくれたのでした。

私は、心の中で「おばあちゃん、めっちゃしっかりしてるやん。」とツッコみました。

ポータブルトイレを使わなかった理由を尋ねると、人に処理してもらうのが申し訳ないと思ったとのこと。
これは、ご利用者を訪問する際にも本当によく聞くセリフで、ポータブルトイレを使っている方の多くが感じていることだと思います。

祖母の言っていることも理解できるし、母親が祖母を心配して取った行動も理解できます。
結局、どちらも相手のことを思っての行動なのだなと思いました。

後日、祖母、母、私の3人で話し合いをしました。
母は、相談もせず勝手にポータブルトイレを手配したことを謝り、祖母も、心配して設置してくれたのに使わなかったことを謝りました。

話し合いの後、祖母は納得してポータブルトイレも使ってくれるようになりました。

ポータブルトイレの横には消臭剤が常に2本あるらしいです。

 

リニエ訪問看護ステーション四ツ橋サテライト平野 作業療法士 澤田